ジャガー・ルクルト レベルソ・スクアドラ・ホームタイム 実際、見た目ほどの厚みはないのだが、形状的な問題から手首に密着しないマッシブな時計ケース

ジャガー・ルクルト レベルソ・スクアドラ・ホームタイム 実際、見た目ほどの厚みはないのだが、形状的な問題から手首に密着しないマッシブな時計ケース

さて、今回の「時紡ぎ」は前回に引き続き、ジャガー・ルクルト レベルソ・スクアドラ・ホームタイムです!

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パッと見は”ぬりかべ”のようなルックス・・・変態ブランドジャガー・ルクルトの異色レベルソですが・・・

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この個体の場合はジャン・ルソー製のオレンジのシャークベルトが面積の広い白い文字盤とコントラスを成しており、面白いファッションウォッチになっています。

しかし、時計としてはかなりアンバランスなモデルだと改めて思うのです。

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気になるのはその厚み・・・

搭載されているcal.977は耐久性と頑丈さを重視した、ジャガー・ルクルトにしては厚みがあるムーブメントで、それを搭載しているため時計ケース本体の厚みもかなりのものだと感じます。

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しかし、実際の厚みは典型的なブライトリングのデカ厚時計であるクロノマット・エボリューションと比べて見ると、4mmも薄いのです!!

これが意外でしたが、よく時計ケース本体の形状を見てみると、縦の形状が直線的でしかもかなり長さがあるので、手首に寄り添わないんですよね。

なので、手首から浮き上がっている感をかなり感じてしまうのです。

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結果として、着けているとあっちこっちにコツン、コツン!とぶつける有様・・・。

重さもクロノマットに比べるとまだり軽い部類になるのですが、それでもやはり時計ケース本体の形状的な問題でしょうか・・・かなりバランスが悪いように感じます。

要するに手首に密着してくれないので心もとないんですよね。

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よく考えると、ロレックスのムーブメント並みに厚みがある機械を内部に積み込み、しかも反転機構まで備えている割にはかなり厚みを抑えていると思えるのですが、デザイン的な要因でそれを帳消しにしてしまっているのです。

時々変態的な時計作りに没頭するがあまり、周りが見えていないかのようなところがあるジャガー・ルクルトですが、この時計はそれが悪い方向に出てしまったのでしょうか・・・。

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視認性に関しては文字盤の面積が広く、しかもマットホワイトの文字盤が風防への光の反射を抑えており、文字盤のデザイン自体も白&黒でコントラストが強いものなので、まあまあ良好です。

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ただ、風防に無反射コーティングが施されていないからか、角度によってはやはり豪快に光を反射してしまい、このように文字盤の半分が反射で見えなくなったりします。

これはもう仕方がないですね。

オメガ シーマスター・プロフェッショナル300 2531-80 コスト・パフォーマンス抜群でありながら

オメガ シーマスター・プロフェッショナル300 2531-80 コスト・パフォーマンス抜群でありながら、実用性もしっかりと考えられている

視認性に関しては、夜光塗料がかなりこんもりと盛られており、その分明るく光るので良好です。

長針と短針も夜光塗料を工夫して使用しているので、区別がつきやすくなっています。

ただ、明るいところでは、風防に無反射コーティングが採用されていないので、角度によってはかなり豪快に光を反射します。

時刻が視認できないというほどではないですが、優秀とは言えないかもしれません。

ベゼルに関しては、外縁が指の形に合わせて大きく彫り込まれており、そこに指を上から押し付けるような形で回せばスムーズに回せます。

僕はさほど回しにくいとは思いませんでしたが、回しにくいと感じる人も多いようです。

感触はガリガリガリ・・・という感じで、ロレックスの5桁サブマリーナとあまり大差ないような感触です。

ダイバーが深海で飽和潜水作業をした後、浮上する際に時計の中に溜まって高圧になったヘリウムを外へ逃がすためのエスケープバルブ・・・

通常の生活ではまず使用する機会がありませんが(笑)、それでも本格的な機能は演出としても嬉しいものです。

結構軽い感触です。

ロレックス デイトナ・エル・プリメロ 16520 それまで振るわなかったデイトナを一躍人気モデルへと押し上げた立役者?

ロレックス デイトナ・エル・プリメロ 16520 それまで振るわなかったデイトナを一躍人気モデルへと押し上げた立役者?

仕様:ステンレススチールケース&ブレスレット、自動巻きムーブメントCal.4030(ベースムーブメント:ゼニス Cal.400)、パワーリザーブ52時間)、サファイアクリスタル風防、防水性:100m防水、ブラック文字盤(夜光塗料インデックス&針(トリチウムのため現在は発光せず)、クロノグラフ)

サイズ:ケース横39.5mm、厚み約13.0mm

定価:生産終了品

今回の時紡ぎは、ロレックスのデイトナ・エル・プリメロです!!

う〜ん、僕はクロノグラフで一番カッコいいのは今でもオメガのスピードマスターだと思っていますが、このデイトナ・エル・プリメロもカッコいいですね!!

このデイトナ・エル・プリメロが登場したのは1988年。

それまでのデイトナはバルジュー72系の手巻きムーブメントを搭載。

1961年にアメリカの「デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ」というサーキットの名を冠してデビューして以来、25年以上に渡ってずっと手巻きムーブメントを搭載していたデイトナを「自動巻きクロノグラフ」とするのは、ロレックス至上の夢だったのでしょう。

ずっと旧態然とした状態で作られていた手巻きデイトナは、生産当時は今のような天井破りの人気とは程遠い状態・・・。

ロレックスの場合、不人気モデルは生産停止後に流通量が少ないことから価格が上昇するケースが多いですが、この手巻きデイトナはその最たるものであったと思われます。

今見ると道具感溢れる小ぶりな渋いクロノグラフなのですが、クオーツ全盛期の当時はいちいちリューズでゼンマイを巻き上げないと止まってしまうのが面倒臭いと感じる・・・

ボリューム的にもサブマリーナに負けてしまう・・・

「ロレックスを持っているんだ」という所有欲を満たしてくれるほどの存在感がなかったのかもしれません。

ロレックスGMTマスターII・青黒ベゼル 116710BLNR 唯一の弱点といえばやはり視認性か・・・

ロレックスGMTマスターII・青黒ベゼル 116710BLNR 唯一の弱点といえばやはり視認性か・・・

正直、シェイプに関しては僕の好みじゃないだけで主観の問題ですし、重さについても最近の時計はみんな重たいので、それほど弱点と言えるような弱点にはならないと思いますが、唯一弱点らしい弱点といえば視認性でしょうか。

文字盤のデザインのコントラストが強いのでそれほど見えにくいというわけではありませんが、文字盤が光沢のあるブラックなので、風防のサファイアクリスタルと反射しあって、豪快に白く光ってしまう時があります。

かと言って、時刻の視認ができないわけではないですが、弱点といえば弱点かもしれません。

風防に無反射コーティングを施さないことについては賛成です。 あれが剥がれてくるのはやっぱり嫌。 でも、スポーツモデルの文字盤にはやはり反射を抑えて視認性が良くなるマット塗装の方がいいのかなあ・・・と思います。

まあ、暗所での視認性に関してはロレックスがパラクロムヒゲゼンマイとともに得意げに喧伝しているクロマライト夜光塗料のおかげでよく見えますね。

ただ、最近夜光塗料の視認性に関しては、他のメーカーでもかなり力を入れてきているところがいっぱいあるので、特にすごいというほどのものでもありません。

発光時間が2倍になったとのことですが、「まあ、言われてみればよく光ってるかな・・・」ってなもんです。

ベゼルの操作感に関しては、以前にインプレした116710LNと変わりませんね。ベゼルのカラーリングが変わっただけで、基本同型モデルなので当たり前といえば当たり前です。

少し固めの抵抗があった後、そこから滑らかにスーッと動いてパチン!と止まる。 この感触は高級感があって素晴らしいですね。 さすがロレックス、こう言ったところは手抜かりなしです。

GMTマスター2が今の現行6桁に入れ替わったころ、正規店の店員と「あのデザインはどう考えてもモデルチェンジ失敗なんじゃないだろうか」と話し合っていたら、違う店員が「でも、ベゼルの操作感とか隔世の感があり、やはりおすすめは新型」と言っていたのが印象に残りました。

触ってみるとやはり5桁とは全然違うので、こう言ったところは本当に素晴らしい正常進化だと思います。

ねじ込みロック式なので、リューズを回してロックを解除。 それからリューズをさらに回してゼンマイを巻き上げます。「ギリギリギリ・・・」という相変わらず剛性感を感じる硬い回し心地・・・。

そして、リューズを一段引き出して時計回りに回すと、短針が1時間ずつ「カクン!カクン!」と動きます。 日付の単独調整ができないので、短針を2回転させることによって日付を一日早送りさせます。

短針を動かす感触も小気味好く、それでいてぎこちなさが全然ない・・・こう言ったところのそつのなさがロレックスですね。

ロレックス・デイトナ  現行ピチピチよりもアラサーの方がいいのよ!!

ここまで来ると、時計ファンは自分も含めみんな変態なのかと考えてしまう・・・。

若さはじけるピチピチの現行よりも、「アラサー」の方がいいなんて・・・。

いや〜、多分、アラサーの方がいいんだろうね。

6桁は6桁でやっぱりそれなりの魅力はあるんだけど、純粋に贅肉がついてしまって、シャープさをなくしてしまったモデルがほとんどのような気がします。

一説によると「研磨による痩せを防ぐために」膨らませたラグ。 あれがどうも気になって気になって仕方がない・・・。

クオリティーがいいのはわかるし、「手抜き」だの「コストダウン」だの言われても、そんなの今の時代と昔では見るポイント、商売の仕方も違うんだし、ロレックスから見れば「何言ってんだよ、コラ」なのかもしれない。

それでも・・・なんていうか・・・カッコ悪いとは言わないし、カッコいいんだけど、「男の精悍さ」に欠けるような気がして・・・

一言で言えばシルエットに僕は違和感を感じます。 やっぱり太り過ぎ。

それに、あんまりピカピカと光られてしまうと、服からも浮いちゃうんですよね。

もちろん、浮かないように着こなせないのがヘボいんだけど、こっちゃあ時計好きでありながらもあまり時計に出しゃばられたくない。

時計で幅をきかせたいくせに、これ見よがしにはしたくない・・・というなんとも天邪鬼な馬鹿野郎ですが、こういう性癖を持っている人は多いんじゃないでしょうか・・・

正直腕に載せたら主張度ではエルプリ・デイトナの完敗です。