アメリカ・フェレーラ、バービーへの“さよなら”を告げたピンクのヴェルサーチドレス

20年のキャリアを総括する、オスカーでの輝き

第96回アカデミー賞授賞式は、アメリカ・フェレーラにとって、ノミネートとして初参加する晴れ舞台となりました。しかし、彼女は20年以上にわたり、スクリーンを通して私たちを魅了し続けてきた女優でもあります。今回グレタ・ガーウィグ監督、Margot Robbie主演のメガヒット映画「バービー」で、批評家からも絶賛されたグロリア役を演じ、アカデミー賞ノミネートを果たしたのは、まさに20年間キャリアを積んできた集大成と言えるでしょう。

『Traveling Pantsのシスターフッド』でのカルメン・ローウェル、『Ugly Betty』での4シーズンのベティ・スアレス役、NBCのシットコム『Superstore』での6シーズンの主演など、数々の記憶に残るキャラクターを演じてきたフェレーラ。

「この経験はあまりにも豊かで、まるで夢のようです」とフェレーラはハーパーズ・バザー誌のインタビューで、オスカーノミネートと「バービー」のプロモーションツアーを振り返り語りました。「予想していなかったことの 1 つは、他のノミネートの方々と交流し、支え合える友情を築くことができたことです」

ドナテラ・ヴェルサーチが語る、力強さと女性らしさの融合

そんなアカデミー賞という晴れ舞台には、忘れられないドレスが求められます。フェレーラはスタイリストのカKarla Welchとタッグを組み、Atelier Versaceのピンクの鎖帷子ドレスとPomellatoのジュエリーを選びました。メイクはフレッシュさを保ち、メイクアップアーティストのLinda Hayによってチークとピンクのリップが施されました。髪型はAviva Jansen Pereaによって、気取らないボブスタイルにセットされました。

「このドレスを着た瞬間、息を呑んで踊り出しました」とフェレーラは、このボディコンシャスなドレスについて語ります。「まさに運命を感じました」

Welchによると、このドレスは「バービーへの完璧な別れ」になったそうです。というのも、映画のプロモーションや授賞シーズンでは、フェレーラは主に黒やニュートラルカラーの服を着ていたからです。

「最高の瞬間は、このドレスを作ったイタリアの女性たちでした。彼女たちのお気に入りだったんです」とWelchはバザー誌に語ります。「イタリア語で『まるでイタリアの映画スターみたい!』と言ってくれました。服を作る人たちがその服に心を感じてくれる時、私の仕事は成功したと言えるでしょう」

もちろん、ドナテラ・ヴェルサーチも同意見でした。

「アメリカ・フェレーラさんは、優雅さ、誠実さ、そして力を体現しています。私にとって、それはヴェルサーチの精神であり、今日の力強い女性の象徴でもあります」とデザイナーは語ります。「彼女の声は「バービー」の中で力強く響き、世界中の女性たちに共感を与えました。女優としての彼女を大いに尊敬しており、Atelier Versaceを選んでいただけたことを光栄に思います」

ヴェルサーチによれば、鎖帷子とピンクの組み合わせは、力強さと女性らしさを表現しているそうです。

「我々のアイコニックなメタルメッシュは、女性のための鎧であり、ヴェルサーチが先駆けてきた素材です。それは強さと柔軟性を象徴するものであり、女性のDNAそのものです」と彼女は言います。「そして、私たちはピンクを選びました。力強くいてもピンクを着られることを示したかったのです。アメリカさんとKarlaとのコラボレーションはとても気に入り、このような重要な瞬間のために、強い女性たちとしてチームで仕事ができて光栄でした。不可能を可能にすることが、私たちの超能力なのです」

女優としてのさらなる飛躍へ

フェレーラにとって、今回のオスカーでのドレスは、人生を変えた映画への最後のオマージュ以上の意味を持っていました。このドレス、そして他の「バービー」のプロモーションでの衣装は、最終的にフェレーラが自分自身を見る女性の姿をお洒落に表現する変革を象徴していました。

「今の自分を映し出すような衣装について、Karlaと協力できたことはとても嬉しかったです。この映画のプロモーションを通して、美しく、セクシーで、強く、そして力強いと感じることができました」とフェレーラは語ります。「Karlaのスタイリングは、私の内面の気持ちを外面的に表現し、増幅させてくれました」

フェレーラには、監督デビュー作となる人気小説「I Am Not Your Perfect Mexican Daughter」の映画化など、今後期待されるプロジェクトが控えています。昨夜の授賞式は、大ヒットとなった「バービー」を祝福するとともに、女優としての新たな出発点となりました。

「バービー」が与えた計り知れない文化的な影響を、喜びをもって振り返る

多様性を受け入れる社会への貢献

「バービー」は、単なる映画作品にとどまらず、多様性を受け入れる社会への貢献を果たしました。フェレーラ自身もラテン系の女優として、ハリウッドにおける多様性の重要性を訴えてきました。

「この映画は、あらゆる体型、肌の色、髪型を持つ女性たちをポジティブに描写しています。それは、私たちが社会に求めている変化そのものです」とフェレーラは語ります。

女性のエンパワーメント

さらに、「バービー」は女性のエンパワーメントというメッセージも発信しました。主人公のバービーは、自分の殻を破り、真の自分を見つける旅に出ます。

「この映画は、女性たちが自分自身を信じること、そして自分の夢を追いかけることの大切さを教えてくれます」とフェレーラは言います。

未来への希望

フェレーラにとって、「バービー」は単なる映画作品ではなく、人生における重要な転換点となりました。この作品を通して、彼女は女優としての新たな可能性を発見し、社会貢献への意欲をさらに高めました。

「この映画に関わることができたことを、心から感謝しています」とフェレーラは語ります。「そして、これからも自分の声を使って、世界に良い影響を与えていきたいと思っています」